「なぜピアノは毎日練習しないと上手にならないの?」に科学的に答えると

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お子さんにピアノを習わせている親御さんからよく聞く悩み。

それは・・・

 

「子供のピアノがなかなか上達しない」ということ。

 

中には、「ピアノのレッスンは楽しく通ってるけど、全然弾けるようにならない。月謝がムダな気がするから辞めさせようか迷ってる」なんていう方も!

 

そんなママ&パパに詳しくお話を聞くと・・・どうやら自宅ではほとんど練習していない様子。

 

そんな方へ。

 

ピアノは水泳なんかと違って、通ってるだけじゃ弾けるようになりません!毎日練習してこそですよ!

 

というのを科学的に簡単に説明してみようと思います。

 

<目次>

 

脳を刺激しなくちゃ何もできるようにならない



普段私たちが意識せずに行っている「話したり」「歩いたり」という動作。これってどうしてできると思いますか?

 

答えは「脳が学習したから」です。生まれてからずっと、歩いている人を見て練習したり(まぁ赤ちゃんは練習なんて思ってないでしょうけどね^ ^;)、誰かから話しかけてもらって自分でも声を出してみたり。つまり、「脳が刺激を受ける→学習して訓練する」の積み重ねで、今の動作ができるようになっています。

 

これがもし学習する機会がないとどうなるか。答えは「歩くことも話すこともできない」です。心理学を勉強すると「児童虐待を受けた子供の成長」に関する話が出てくるのですが、社会と離された場所に閉じ込められて大人と関わりなく成長した子供は、6歳になっても歩くことも話すこともできない、という衝撃の事実が出てきます。(その後の献身的な養育で機能が回復したようです)

 

また、生まれて間もないチンパンジーの赤ちゃんを16か月暗い場所で育てると、視覚が失われてしまう・・・なんていう事例も。目が見えるなんて当たり前のようですが、それすらも脳の学習によってできることなんですよ!

 

ピアノ学習はコンボ技!

「そうかそうか!でも水泳とかスポーツは毎日練習しなくてもある程度できるようになるのに、何でピアノは毎日練習が必要なの?」とお思いの方もいらっしゃいますよね。

 

その答えは・・・ピアノは「体で覚える学習」と「頭で覚える学習」のコンボ技だからです!

 

詳しい話は省略しますが、体で覚えることと、頭で覚えることでは、脳が働く場所が異なります。

 

記憶のしくみ

体で覚えること(手続き記憶といいます)は一度覚えたら忘れにくいという特徴があります。脳のシステム的に忘れにくい仕組みになっているんですね。泳ぐ、自転車に乗る、スポーツをする、なんていう動作は覚えてしまえば比較的簡単に思い出して再現できる。だから毎日練習しなくてもそれなりに上達していく、という訳なんです。

 

その一方、勉強などに使う記憶は(意味記憶といいます)、繰り返し学習しないとすぐに忘れます。これは心当たりのあるママ&パパも多いんじゃないでしょうか(笑)テスト勉強で一夜漬けしてもいい点が取れないのは、脳のシステム的に繰り返さないと覚えられないようにできているからなんですね。

 

そしてピアノ学習には、この両方が必要です!体の動きを覚える一方で、楽譜に書いてあることを読んで覚えて、更に耳で音を聞いて判断する・・・聞いただけでも脳がフル活動してそうですよね。体の動きは覚えても、それをどの場所のどの音で使わなければならないのか、瞬時に判断して体の動きに反映させる必要がある。水泳のように、決まった動きだけで練習するのとは、ちょっと仕組みが違うのがお分かりでしょうか。なので毎日練習して記憶を強くしていかないと上達しない、という訳なんです。

 

(個人的な意見では、運動神経が良い子は少ない練習時間でも上達しているように思います。娘のピアノ教室にも、たった10分の練習でかなりの難曲を弾く中学生がいましたが、その子はスポーツ推薦で高校に進学しました)

 

ほんの少しでもいいから毎日ピアノを触ろう!

 

このように、ピアノは毎日繰り返し練習することで上達する仕組みになっています。

「毎日〇分」と決めてしまうと時間が取れなくて難しい・・・という場合は、朝学校に行く前、夕ご飯を食べる前なんていうふうに「スキマ時間にちょっと練習する」ことを毎日繰り返すだけでも効果ありますよ!ぜひ試してみてくださいね。

 

 

ではでは。

みなさんのピアノライフがステキなものになりますように♪